ノーマルカードはどこへ行くのか——処分とリサイクルの壁

ストレージで1枚30円でも高いノーマルカード。三層構造の紙で古紙リサイクルが難しく、粉砕して建材にする案にもマイクロプラスチックの問題が残ります。
この記事の要点
- ノーマルカードは供給が多すぎて、単体ではほぼ値段がつかない
- トレカは芯紙・コーティング・ホログラムを重ねた構造で、普通の古紙リサイクルに向かない
- 粉砕して建材に混ぜる案は面白いが、回収コストとマイクロプラスチックの問題がある
カードショップのストレージ(バラ売りの箱)を見ると、ノーマルカードは1枚10円〜30円で売られています。それでも売れ残っている山を見ると、正直「30円でも高い」と感じてしまいます。
値上がりが見込めない3つの理由
- 供給が多すぎる:パックを開けるたびに増えるので、需要に対して数が圧倒的に多い
- ルール改定で使えなくなる:対戦の環境(レギュレーション)が変わると、ゲームで使う理由もなくなる
- 再録される:強いカードは後の弾で再録されることがあり、旧版の需要が減る
例外として、20年以上前の初期カードで、状態のよいものが残っていないノーマルに値段がつく例はあります。ただし当時は発行枚数がいまより桁違いに少なく、子どもが輪ゴムで束ねて遊んでいた時代です。今の発行量のカードを20年寝かせても、同じことが起きるとは考えにくいでしょう。
リサイクルしにくい「三層構造」
トレカは裏から透けないように、表と裏の紙のあいだに黒っぽい芯紙を挟んだ構造になっているのが一般的です。さらに表面にはコーティング、レア枠にはホログラムや箔が加わります。紙とそれ以外の素材を分けるのが難しく、一般的な古紙と同じようには扱いにくい素材です。
結果として、売れ残ったカードの行き先は、まとめ売り・キロ単位の買取・梱包材代わり・処分のどれかになりがちです。手放し方はいらないノーマルカードの手放し方で具体的に紹介しています。
砕いて建材にできないか?
「細かく砕いてセルロースナノファイバー(CNF)のようにできないか」「ソイルセメントに混ぜて補強材にできないか」と考えたこともあります。紙の繊維は補強材になりうるので、発想としては悪くありません。
ただし現実には、次のような壁があります。
- CNFはパルプを化学的・機械的に処理して作るもので、シュレッダーで砕くだけでは同じ性質にならない
- インクやコーティングが不純物になり、品質が安定しない
- 全国に散らばったカードを集めるコストが、材料としての価値を上回る
- コーティングに含まれる樹脂が、屋外で劣化するとマイクロプラスチックの発生源になりうる
屋外の建材やインフラに混ぜるのは、ゴミを見えない場所に移すだけになりかねません。今のところ、ノーマルカードに「きれいな出口」はないというのが正直なところです。
だからこそ、使わないノーマルカードを最初から増やさない買い方が一番の対策です。パックを大量に剥くより、欲しいカードだけを単品で買うほうが、財布にも部屋にもやさしくなります。